100kmをどう走るか「グラフから見るウルトラマラソンとフルマラソンの違い」
ウルトラマラソンとフルマラソンとの違いをランニングパワーを用いて比較を行っている。
今回は、フルマラソンとウルトラマラソンにおけるランナーをSTRYDパワーメーターのデータ処理、グラフを紹介したいと思います。
ランニングパワーメーターとは
ランニングシューズにデバイスを装着し、計測します。
STRYDを通じて取得できるデータは下記の通りです。
Power(パワー)・・・ランニング中に出力される力。
Cadence(ケイデンス)・・・ピッチ数=1分あたりのステップ数。
Ground Time(接地時間)・・・ランニング中、足が地面と接している時間。
Vertical Oscillation(上下動)・・・ランニング中、どれだけ上下方向に動いているか。
Form Power(フォームパワー)・・・ランニングフォームを維持するための力。
※ランニング中に生み出される力は前方方向だけではありません。上下方向、左右方向などにも力が分散されます。Form Powerは前方方向以外に力が分散された力の数値を表しています。つまり、Form Pwerの数値は小さい方がランニングエコノミーは高いということです。
※仮に同じペースで走っているデータを比較する場合、値が小さい方が少ない力でランニングができている=ランニングエコノミーが高い、ということになります。
Leg Spring Stiffness(LSS)・・・簡単に言うと、足のバネがどれくらいあるか。
※LSSの値が大きい=ランニングエコノミーが高い、ということになります。
心拍計測できるGPSウォッチと同期することで、上記の各項目+心拍変動を比較することが可能になっています。
今回は、パワーと心拍数のみを比較対象として紹介したいと思います。
フルマラソンvsウルトラマラソン
このグラフはLap間における平均心拍数およびパワーの移行を示したグラフとなります。
上2つがパワー。下二つが心拍数となります。
横軸Lapは1kmあたりの地点を示しております。
そのため短い方がフルマラソン。長い方がウルトラマラソンということになります。
ここで1つ問題といいますか、迷った点がありました。
パワーのグラフのギザギザ感。特に下方向への。
この大きな原因とされるのが
エイドでのレストで、それが含まれての平均値だったということです。
STRYDは一秒ごとに細かく測定を行っているため、
休憩時の0Wも測定します。
そのため、休憩時、あまりにも低いパワーも含まれてしまったと確認できました。
そこで、休憩時のデータを削除し、エイドを含まないグラフを作成しようと考え。
修正を加えたグラフがこちら。
下方向への引っ張りが解消され、滑らかになりました。
次回は、ここで出たグラフを先行研究との比較をしながら紹介していきたいと思います。